2016年5月16日月曜日

森のテラスライブ ~緑の森へようこそ~

京王線仙川駅前の商店街を抜け、住宅街をしばらく歩くと「森のテラス」があります。傾斜地に建てられた古い一軒家の森に面したバルコニー、部屋にはグランドピアノ。窓の外には鳥のさえずり、蝶々が時折ひらひらと舞う。

2月の『都電ライブ ~黄色い電車にゆられて~」に続き、まりさんの企画した『森のテラスライブ ~緑の森へようこそ~』に参加しました。

一番良い季節、快い初夏の晴天、木漏れ日に、主催者まりさんの手作りのパンフレットと小さなメッセージカード。出演者は4組のシンガーソングライター。善々さん中田真由美さん(画像)、オツベルさんturuさんが生音生声でギター弾き語りを聴かせ、合間には善々さんの淹れたコーヒーがふるまわれます。それぞれの重なるところと違う個性が楽しめる。まりさんの心遣いに応えるように、丁寧で気持ちの入った演奏でした。

お気に入りの絵本を朗読するという宿題が出演者たちに出ており、選書と朗読に個性が凝縮されているように感じました。善々さんのまっすぐなところ、中田さんは「自分との出会いをくりかえす」と言い、オツベルくんは音楽と楽器の原点を思い出させてくれ、turuさんはシアトリカルでシュールなパフォーマンス。

いずれも演奏や歌に関してはしっかりとしたクオリティを持つ方々ですが、朗読には、多かれ少なかれ不慣れなところがあって、言いよどみ、ためらい、照れ、技巧とは逆のそういったもののなかに、その人の本質が見えるというか、歌い始めた頃の姿を想像させて面白かったです。

まりさんの企画が素晴らしいのは、音楽を媒介として空間や時間全体を素敵に演出し、そのなかでみんなに自由に過ごしてもらうことができているところだと思います。我々観客だけでなく、出演者も、スタッフも、同じ場所、同じ時間を思い思いに楽しんでいる。またそのお互いの姿をみて幸せな気持ちになる。5月の日曜の午後の理想的な過ごし方ができました。ありがとうございます。



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