2014年6月21日土曜日

Kitchen Table Music Hour vol.2

ご好評を戴いた昨年9月のKitchen Table Music Hour vol.1に続いてvol.2を開催します。僕が普段自宅や移動中聴いている音楽を「いかがですか」と、親しい人たちに丁寧に手渡すような小さな音楽会。僕は出演せず、企画とプロモーションのみで。僕の好きな音楽にどれくらいみんな興味を持って集まってくれるだろう。

第2回まで思いのほか時間がかかってしまいましたが、急がず、クオリティの高いショーをお届けできることをうれしく思います。海辺生まれの素晴らしいウクレレ奏者でもあるふたりのソングライターの歌を海の日に聴いていただくことになりました。夏、砂浜、波、太陽、星。どうぞお楽しみください!

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カワグチタケシ presents "Kitchen Table Music Hour vol.2"

日時:2014年7月21日(月・祝) Open 15:00 Start 15:30
出演:ノラオンナ 歌とウクレレ
    moqmoq(オカザキエミ)うたとウクレレ、ときどきカリンバ。
会場:JAZZ喫茶映画館
    〒116-0013 東京都文京区白山5-33-19
    03-3811-8932 http://www6.ocn.ne.jp/~eigakan/
料金:無料(1drink order)+投げ銭
※会場の地図はこちら

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*ノラオンナ http://noraonna.jpn.org/
ウクレレ弾き語りのほか、ギタリスト見田諭とのデュオ、5人編成バンド “港ハイライト” 作詞作曲ボーカル。CD「いいわけイレブン」「かもめのデュオさん」etc.. 函館生まれ阿佐ヶ谷在住。 ⇒YouTube「あの海に行きたい」 

*moqmoq(オカザキエミ)  http://hatomugyu.net/
小さな生楽器と声だけで独自の音楽を創造する。ex.HAREM、あしのなかゆび、等。CD「海とうた」「るすばん」moqmoq、「あしのなかゆび」あしのなかゆび、etc.. 川崎生まれ横浜在住。 ⇒YouTube「波乗りと太陽」 

■JAZZ喫茶映画館 http://www6.ocn.ne.jp/~eigakan/
都営地下鉄三田線白山駅下車A3出口裏徒歩1分。1978年開店の老舗ジャズ喫茶。マスター手作りの真空管オーディオシステムとネルドリップコーヒー。壁にはヌーベルバーグのポスターと沢山の振り子時計がチクタク鳴っている。猫もいます。

"Kitchen Table Music Hour"は投げ銭制ですので、ご予約は不要です。おしまいまで聴いても夕飯のお支度に間に合う設定になっています。お誘いあわせの上、是非いらしてください!




2014年6月19日木曜日

Poemusica Vol.30

夏至の2日前。日照時間の長いこの季節の東京で、リハーサルの途中からゆっくりと陽が傾き、日没と開演がほぼ同じ時間です。下北沢Workshop Lounge SEED SHIPで、Poemusica Vol.30が開催されました。

水戸から長距離バスで来た芦田ちえみさん(画像)。空間処理を意識したコンテンポラリーな音像。あえてまばらに配置されたウクレレの分散和音が心地良い。「どうしてだろう、ここに来ると話したいことが話せない」と笑う。周囲数百メートルの世界への違和感の表明をモチベーションの原点にしながら、一周半廻って柔らかく響く歌声。人の声が息で出来ていて、肺から咽喉を通って発せられるという当たり前のことをもう一度思い出させてくれます。

齊藤さっこさんの描く世界はロマンチックでドラマチック。古き良きハリウッド映画の主題歌のような安定感と絢爛さのある懐の深い音楽です。音圧の高いピアノ、全帯域で澄み渡った歌声には、過ぎた恋や愛犬のことを歌っていても、恋の始まりのそのまた予感みたいなときめきがあって、聴いていてそわそわしてしまいます。潔く刈られたスキンヘッドの下に鎖骨やうなじがよく見えて、女の人の首って美しいものだなあ、と思いながら聴いていました。

僕にとって今回一番のサプライズははらかなこさんのピアノでした。2012年のクリスマスにPoemusica Vol.12 ~音の葉・言の葉・柊の葉~で共演したときは、溌剌として楽しくもどこかとっ散らかった演奏に好感を持ちましたが、1年半ぶりに会い容姿が美しく洗練されていたのにもまして、演奏が格段に上達し、持ち前の躍動感に加えて緻密さや一音一音の粒立ちの美しさが加わり、その表現力に驚きました。伸び盛りの姿が眩しかったです。

記念すべき30回目のPoemusicaに僕が選んだのは、夏至の詩「ガーデニア Co.」、世界の人口の12分の1存在する6月生れの人たち(僕もそのひとりです)に「バースデーソング」、そして「」の3篇です。丁寧に、抑制された表現を心がけましたが、伝わりましたでしょうか?

Poemusicaは7月はお休みして、次回vol.31は8月21日(木)。素晴らしいミュージシャンにお声掛けしております。どうぞお楽しみに!

僕の次のライブは7月20日(日)。下北沢の書店フィクショネスが7月22日で閉店するのに伴い、14年半毎月続けてきた詩の教室も終了することになりました。最終回はこれまでの感謝を込めて、教室で紹介した数百篇の詩作品のなかから厳選した20篇をカバー朗読するスペシャル版です。作品の合評はハードルが高いと尻ごみされていた方も、是非この機会に。下北沢のレジェンド(笑)を見届けにきてください! 

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フィクショネス詩の教室 最終回スペシャル

日時:2014年7月20日(日) Start 18:00
会場:書店フィクショネス
    世田谷区北沢2-12-2 翔鶴ビル2F
    小田急線・京王井の頭線下北沢駅南口徒歩2分
    03-5430-6352 
料金:1,620円
出演:カワグチタケシ

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2014年6月14日土曜日

インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌

梅雨の晴れ間。日比谷TOHOシネマズシャンテで、2013年度カンヌ国際映画祭コンペティション部門審査員特別グランプリ受賞作品『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』を観ました。コーエン兄弟監督映画を劇場で観るのは1996年の『ファーゴ』以来です。

舞台は1961年のニューヨーク。主人公ルーウィン・デイヴィス(オスカー・アイザック)は住所不定のフォークシンガー。マイク&ルーウィンというデュオでメジャーデビューしたものの、相方の飛び降り自殺によって解散。

ひょんなきっかけから猫一匹とギターケースを抱えて放浪が始まり、恋人(?)に妊娠を告げられ、元恋人が秘かに自分の子を産んでいたことを知り、素頓狂なコミックソングのレコーディングを経て、雪のシカゴへ奇妙な長距離ドライヴ。レコードレーベルのオーナーには「金の匂いがしない」と評価してもらえず、ニューヨークに戻りいつものライブカフェで冒頭のシーンにループ。対バンは若きボブ・ディラン

クールでスタイリッシュな映像ですが、主人公以外の登場人物の行動がどこかしら過剰でズレており、物語の時系列も微妙に乱れ、なんとも言えず不安定な後味なのですが、これらがすべて、ライブ中に飛ばした野次のせいでヤクザ者にフルボッコされたルーウィンが見た一夜のナイトメアだとすれば合点のいく話です。

"Inside Llewyn Davis" はソロデビューアルバムのタイトルですが、彼の脳内で起こったこと(=夢オチ)とのダブルミーニング。まんまとコーエン兄弟の手玉に取られました。お見事。そして、ルーウィンの歌とギターも、T-ボーン・バーネットのサウンドトラックも、音楽はどのシーンでも心地良く素敵です。

華麗なるギャツビー』で世間知らずのお嬢様デイジーを可憐に演じたキャリー・マリガンがこの映画でもヒロインですが、タートルネックを着たフォーキーなビッチ、ジーン・バーキー役を好演。台詞の約半分は"fuck"と"shit"です。

ジーン「人には2種類いて、上を目指す者と負け犬。あなたはいつも負け犬よ」、ルーウィン「俺が考えるに人は2種類だ。人を2種類に分けたがる奴と…、」、ジーン「負け犬よ!」、で客席爆笑。




2014年6月1日日曜日

Poemusica Vol.29

東京は月をまたいで2日続きの真夏日です。下北沢Workshop Lounge SEED SHIPで、Poemusica Vol.29が開催されました。2014年1月以来の昼間のPoemusicaです。

大阪から来たいおかゆうみさん(画像)。2年前、彼女がはじめて東京で歌った場所にたまたま居合わせて、すっかりその音楽の虜になり、いつか共演したいと思っていたのですが、ようやく念願が叶いました。半歩踏み外したら二度と戻って来られないような危うさと、その危うさをソングライティングにおいてもパフォーマンスにおいても高い精度で表現する強靭なスキル。これだけ胸に刺さる言葉と声を持つ23歳はなかなかいないのではないでしょうか。

今泉沙友里さんは佐賀県出身。曲調は王道のポップソングなのですが、キャラクターが微妙にズレていて、そのギャップが面白い。オチの無い小芝居と自ら銘打って、本当にオチの無い小芝居をして、きちんと滑らせる(笑)。一瞬のちに真顔で切ない青春片思いポップチューンをガツンとかます。サポートギタリストのもやし(川部宏昭)さんの好演と客席の温かさにも助けられ、ユルくも楽しいステージを展開しました。

漲るテンションで会場の空気をガラリと変えた菅田紗江さん。東京のアコースティックシーンでは知らない人のいない実力派です。確信的な低音から強気な高音までレンジの広い声で、決してキャッチーなわけではないのに妙に耳に残る旋律、正確な内的律動に裏打ちされた高速ギターカッティング。挑発的な瞳の戦闘美少女が時折見せる繊細さ、心細さ。そのバランスもギャップも含めてロック。アコースティックパンク。たったひとりでThe Woodentopsや初期 RADIOHEADなんかを思わせる格好良さです。

リハーサルを聴いて今日はそれぞれのアクトにぶつけるような方向で作品を選びました。いおかゆうみさんには僕なりのブルーズ解釈でもある「ANOTHER GREEN WORLD」を、今泉沙友里さん(と数名のお客様)のスカートに合わせて「花柄」を、そして菅田紗江さんの高速フローに響かせるような気持ちで「International Klein Blue」を朗読しました。

なんとありがたいことに、6月はPoemusicaがもう一回あります。記念すべき30回目はいつもの木曜夜に。間違いなく楽しめます。是非!

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Poemusica Vol.30
日時:2014年6月19日(木) Open 18:30 Start 19:00
会場:Workshop Lounge SEED SHIP
    世田谷区代沢5-32-13 露崎商店ビル3F
    03-6805-2805 http://www.seed-ship.com/
    yoyaku@seed-ship.com
料金:予約2,100円・当日2,500円(ドリンク代別)
出演: はらかなこ *Music
      齊藤さっこ *Music
      芦田ちえみ(水戸) *Music
      カワグチタケシ *PoetryReading

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