2011年9月25日日曜日

タキオニック・ナックルボール・レビュー

暑さ寒さも彼岸まで。屋外で過ごすのが楽しい季節になりました。

さて、詩の朗読会のお知らせを。2007年10月24日に千駄木の名店古書ほうろうで開催されたEvergreen Knee-High Revueから二年。TKレビューが満を持して谷中芸工展に帰ってきます!


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芸工展2011参加企画
DOUBLE TAKESHI PRODUCTION PRESENTS T.K.REVUE05

Tachyonic Knuckleball Revue タキオニック・ナックルボール・レビュー 
~詩の朗読とうた~

日時:2011年10月22日(土)17:00開演
出演:小森岳史、カワグチタケシ、梨田真知子
料金:1500円(1ドリンク付)
会場:古書信天翁(荒川区西日暮里3−14−13-202)03-6479-6479
   http://www.books-albatross.org/

ダブルタケシプロダクションが贈るポエトリーリーディングショー。
秋の黄昏に夕陽の綺麗な古書店で、詩の朗読とアコースティック・
ナンバーのひと時を。
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今回のゲスト梨田真知子さんは平成生まれ。22歳のシンガーソングライターです。地震直後の3月20日下北沢SEED SHIPで開催されたチャリティライブに出演した際に、オープニングアクトを勤めていたのが梨田さん。その歌声に衝撃を受けました。

ステージ上のMCは最小限で、無愛想なまでのストイックさ。曲も詞も一切の無駄を省いたミニマルなものでありながら、豊かに饒舌に、音楽そのものが心に直接刺さります。いまだ発展途上にある原石の輝きを、この機会に是非見届けてください。

会場は、今年三月の「続・同行二人」に続いて、古書信天翁(あほうどり)さん。JR・京成日暮里駅西口を出て道なりに徒歩5分。谷中銀座商店街の入口、夕やけだんだんのちょっと手前の左手二階。にぎやかで楽しい一角にある古書店です。開演時間を日没時刻に合わせて設定しました。

10月8日(土)~23日(日)が芸工展2011の開催期間です。会場周辺の谷中・根津・千駄木エリアではアートイベントが目白押し。ちょっと早めに到着したら、ガイドマップをゲットして、下町散策も素敵です。

どうぞ皆様お誘いあわせのうえ、是非ご来場ください。お待ちしています!


◎梨田真知子(ナシダマチコ)
山口県出身のシンガーソングライター。
18歳で上京し、都内・下北沢などのライブハウスを中心に活動している。
http://nashidama7.exblog.jp/
http://twitter.com/74dama

◇小森岳史(コモリタケシ)
ダブルタケシのデカいほう。ネット古書店トリクシス・ブックス店主。
京都府出身。西荻から千駄木、いまは筑波山のふもとに住んでいる。
http://www.trixisfactory.org/books/
http://twitter.com/shiomizaka

◇カワグチタケシ(カワグチタケシ)
ダブルタケシのちっちゃいほう。2011年は毎月家電が壊れる残酷極まる年。
千葉県出身。豊洲運河と東雲運河の交差するあたりに住んでいます。
http://kawaguchitakeshi.blogspot.com/
http://twitter.com/rxf13553

 

2011年9月9日金曜日

ハンナ

ずいぶん日が短くなってきました。そんな初秋の夕暮れ時に、ジョー・ライト監督の『ハンナ』を鑑賞。北欧戦闘美少女ロードムービーです。

主人公ハンナ(シアーシャ・ローナン)は、金髪、ソバカス、空色の瞳の16歳。 恐れや哀れみの気持ちを抑制し、武術、射撃、語学に優れた殺戮マシンとして、雪深いフィンランドの森で育てられた。母親の仇敵であるCIAエージェントのマリッサ(ケイト・ブランシェット)を殺すために、CIAに潜入するが、逆に追われる身となり、モロッコ、スペイン、ドイツと逃亡の旅を続ける、というストーリー。

主人公ハンナがとにかく強い。もう笑っちゃうぐらい強いです。華奢な身体で、屈強な野郎共を殴る、蹴る、投げる、絞める、撃つ、刺す。そして、よく走る。速くて、フォームがきれい。ランニングに限らず、アクション全般が美しく、特に冷徹な目で撃鉄を引く射撃シーンは記憶に残ります。

ひょんなことからヒッピー家族(両親、姉弟)のキャンピングカーに同乗することになりますが、この一家とのやりとりが軽妙で楽しいです。特にハンナと同世代の姉は「サッカー選手と結婚してセレブ暮しがしたい」とか言ってて、ちょっとおバカなのですが、最後の最後に友情を裏切らないのが泣かせる。

カメラワーク/編集もスタイリッシュで、サウンドトラックを担当したケミカル・ブラザースの複雑なキック音に合わせてめまぐるしくカット割りが変る戦闘シーンなど、音楽と映像のリズムが完璧にシンクロして、重低音の効いた映画館のドルビーサウンドで聴くと、テンション上昇。

ちなみに、ヒッピー家族のカーステレオでかかるのは、ケミカル・ブラザースではなく、デイヴィッド・ボウイの"Kooks"。そういう細かいところも丁寧に作られています。

シアーシャ・ローナンと同い年の川島海荷初主演のTBSドラマ『ヘブンズフラワー』の主人公アイのビジュアル・イメージは、おそらくハンナから来ているのでは。3.11後、放送中断したままになっていましたが、現在第1話から再放送中です(関東ローカルのみ)。
 

2011年9月4日日曜日

Spirale vol.1 viola & piano Duorecital

台風の進路が東京を逸れて、湿度の高い9月最初の日曜日。荻窪の老舗 名曲喫茶ミニヨン で、triolaのヴィオラ奏者手島絵里子さんがピアニストの明利美登里さんと開催したクラシックのデュオリサイタル"Spirale vol.1"を鑑賞しました。

triolaでは、安定したクールなタイム感で脇を固める役割の多い手島さんは「引きの芸」の名手。彼女がセンターに立ったらどんな音楽が生れるのだろうという興味も。

ふたりにとってはじめての単独公演ということもあって、おそるおそるという感じの出だし。緊張がボウイングに出てしまった前半でしたが、後半はふたりの演奏の温度がじわじわ上がり、手島さんはtriolaではあまり出すことのない情熱的な一面も垣間見せ、新鮮でした。

特に最後の2曲、リストとブラームス、そしてアンコールの武満徹のリラックスした演奏は聴いていて心地良く、楽しかったです。 客席数約30の最前列は演奏者の体温まで感じられるようで、正午開演というのも自然光の良く入る会場に合っていました。続編にも期待しています!

クラシック音楽の世界には、ヴィオラ・ジョークというのがございまして、オーケストラのなかでも一番影の薄いパートを揶揄したものなのですが、ヴィオリスト自身もヴィオラ・ジョークが好きなんですよね。おそらく自虐的な意味も含めて(笑)。たとえばこんなものです。

Q.ヴァイオリンを盗まれないようにするには?
A.ヴィオラのケースに入れておきます。

Q.ヴァイオリンとヴィオラの違いは?
A.ヴィオラの方が長く燃えます。
  ヴィオラの方がたくさんビールが入ります。
  ヴァイオリンは調弦できます。

確かにヴィオラは地味な存在の楽器ですが、逆にその地味さ、渋さを愛したブラームスみたいな作曲家もいて。 僕も好きです。

1. F.P.トスティ  夢
2. W.A.モーツァルト  ピアノソナタ ハ長調 K330
3. G.エネスコ  演奏会用小品
4. F.クライスラー  愛の悲しみ
5. E.グラナドス  スペイン舞曲集op.37より 第5番アンダルーサ~祈り~
6. F.リスト  コンソレーション第3番より第3番 ため息
7. J.ブラームス  ヴィオラソナタ第2番 変ホ長調op.120-2