2012年5月3日木曜日

bar PORTO 前川朋子(vo)、 前原孝紀(g)

先月、下北沢Workshop Lounge SEED SHIPPoemusica Vol.4で共演させていただいた"たきびバンド"のG&Voまえかわともこさんのライブがあることを前日にfacebookで知り、日暮里のbar PORTOに聴きに行きました。

bar PORTOは生演奏が聴けるブラジル音楽のお店です。今夜のまえかわさんは、ギタリストの前原孝紀さんとのデュオで。自身ギターは持たず歌に専念し、ゆったりと聴かせます。

「春は出会いと別れの季節。今日は失恋ソング特集で」と、2ステージで演奏されたのはアンコールを含めて全14曲。アントニオ・カルロス・ジョビンミルトン・ナシメントカエターノ・ヴェローゾらのブラジリアン・スタンダード・ナンバーが半分。残り半分が、沢田譲治シバリエのカバー、谷川俊太郎谷川賢作の『さようなら』、まえかわさんが所属するバンドThe Xangosのオリジナル曲など。

前原さんのリリカルなギターに乗せて丁寧に旋律を紡ぐまえかわさんの歌声は、基本的にはMPB(ムジカ・ポプラール・ブラジレイラ)のマナーに則ったソフトなもの。同じ南米圏でもスペイン語を使う他国と異なり、ポルトガル語の本来持っている柔らかな響きを活かしています。

それが、『出会いと別れ』の頭韻を踏んだリフレイン、『夜明けのサンバ』の「悲しみが消えないから、きっとここにサンバがあるんだろう」と唄うサビ、何曲かで聴かせたスキルフルなスキャット。そのところどころで使う喉声にはモンゴルのホーミーにも似た複雑な倍音があり、突然アジアが響く瞬間。その転換がスリリングで、他の唄い手には無い魅力になっています。

3月にリリースされたばかりのThe Xangosのセカンドアルバム"roda"は最近の僕のヘビロテ・ディスクですが、その中でも好きな曲『あした』『夜明けのサンバ』が聴けたのもうれしかった。

まえかわさんの次のライブは、5月6日(日)に高円寺meu notaで。その後、沖縄、富山、大阪とツアーが続くそうです。お近くの方は是非。

 

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